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藤の花が咲いていました

実家の藤の花が今年も咲き始めました。

藤の花201004
[2010年4月17日撮影]


藤の花は古くから鑑賞の対象となってきました。
枕草子でも、“木の花は、濃きも薄きも紅梅。桜は、花びら大きに、葉の色濃きが、枝細くて咲きたる。藤の花は、しなひ長く、色濃く咲きたる、いとめでたし。”(第37段)と書かれています。

今日は、若山牧水の『藤の花』という小品を紹介します。


藤の花』(若山牧水

 私は五六歳のころから齒を病んだ。そして十歳の春、私の村にない高等小學校に入るために、村から十里離れた或る城下町の父の知人の家に預けられ、其處でも一二年續いて齒痛のために苦しめられた。
 預けられた二三軒先の隣に鈴木の健ちやんといふ仲よしの同級生がゐた。子供の眼にもつく美少年であつた。その健ちやんの阿母さんが非常に優しい人で、それこそ子供の眼にもつく美しい人であつた。健ちやんに二人の妹があつた。その人たちが七つに九つといつた年ごろであつたとおもふ。或る日、健ちやんの阿母さんは私の齒痛を見かねて、その三人の子供と私とを連れて齒痛どめの神さまとして知られてゐる附近の村の水神さまにお詣りに行つてくれた。
 水神さまは村の人家からずつと離れた溪川の岸に在つた。岩の斷崖の一部を掘り窪めたやうなところに小さなお宮が建ててあり、その眞下は底も見えぬ清らかな淵となつてゐた。お詣りが濟むと我々はお宮の前の狹い狹い岩の窪みに坐つてお辨當を開いた。
 その日もしくしくと私は齒が痛んでゐた。そしてともすると涙を落したい樣な氣持になつてゐた。膝を押し並べた三人の美しい友だちとその阿母さんとに泣き顏を見られるがいやさに、お辨當をたべわづらひながら、ふと眼をそらすとお宮の横から淵の上にかけて眞盛りのうすむらさきの藤の花が岩を傳うて咲き枝垂れてゐるのであつた。
 藤といふと、いつもその日の事を思ひ出す。


若山牧水には、藤の花が出てくる作品が結構ありますが、このエピソードが原因で藤の花が好きになったのかもしれません。




【】
ご実家ではもう、咲きだしましたか?
我が家の藤も、40年近い木で、見事なのですが、まだ、蕾も出ていません。
あれ?花芽を切られてしまったのかな?
もし、咲きだしたら、写真載せますね。

藤は、優雅ですよね。
匂い・・香りではなくて・・が甘くてやるせない。
【藤の花も満開に…】
草笛さん、こんばんは。

コメントありがとうございます。
返事が遅くなりました。

あれから一週間たち、実家の藤の花は満開が近づいていました。
今年は遅くまで寒い日があったので、関東では咲くのが遅れているかもしれませんね。
写真、楽しみにしています。
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kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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