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今日から12月。

今年ももうあと1か月となってしまいました。
毎年、この時期になると今年やり残したことが気になります。

泉鏡花の「月令十二態」は12か月をそれぞれ短い文章で表現したものです。
今日は、その中から『十二月』を紹介します。


月令十二態』(泉鏡花

十二月

 大根の時雨、干菜の風、鳶も烏も忙しき空を、行く雲のまゝに見つゝ行けば、霜林一寺を抱きて峯靜に立てるあり。鐘あれども撞かず、經あれども僧なく、柴あれども人を見ず、師走の市へ走りけむ。聲あるはひとり筧にして、巖を刻み、石を削りて、冷き枝の影に光る。誰がための白き珊瑚ぞ。あの山越えて、谷越えて、春の來る階なるべし。されば水筋の緩むあたり、水仙の葉寒く、花暖に薫りしか。刈あとの粟畑に山鳥の姿あらはに、引棄てし豆の殼さら/\と鳴るを見れば、一抹の紅塵、手鞠に似て、輕く巷の上に飛べり。



鳶も烏も忙しき”とあるように、やはり12月は鳥さえも忙しい月のようです。

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kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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