2008/12/27 23:47:40
今日の謡の稽古は『唐船』の5回目。
今日の名古屋は、冬晴れの寒い一日でした。
謡の稽古は『唐船』の5回目で、今日の場面は、祖慶官人が、祖国に残してきた二人の息子、ソンシとソイウとともに帰国しようとするも、日本子二人は連れて行けないと言われ、悩む場面です。
舟子「いかに申し候。いちだんの追風がおりて候。
急ぎお船に召され候え。
ソンシ「いかに申し候。追風がおりて候。
急ぎお船に召され候え。
シテ「さらばやがて乗ろうずるにて候。
日本子「あら悲しやわれをも連れておん入り候え。
シテ「げにげに出船の習い。汝らがことをはったと忘れて候。
急ぎ船に乗り候え。
ワキ「暫く。汝らことはこの所にて生れ訴訟の者なり。
いつまでも某が召し使うずるぞ。こなたへ来たり候え。
日本子(二人)「あら情なのおん事や。大和なでしこの花だにも。
同じ種とて唐土の。唐紅に咲く物を。薄くも濃くも花は花。
情なくこそ候えとよ。
ワキ「とかくの問答無益なり。ことさら出船の門出なれば。
叶うまじいにてあるぞよと。
ソンシ、ソイウ「時刻うつりて叫うまじ。急ぎお船に召されよと。
はやとも綱をとくとくと。
シテ「呼ぶ子もあれば。
日本子(二人)「とリ止むる。
シテ「中に留まる.父ひとり。
地謡「たつぎも知らず泣きいたり。
身もがな二つ箱崎の.うらめしの心づくしや。
たとえば親の子を思うこと。人倫に限らず。
焼け野の雉子夜の鶴。梁の燕も。みな子ゆえにぞ.もの思え。
〔クセ〕
いわんやわれはさなきだに。明日をも知らぬ老の身の。
子ゆえに捨てん命は何なかなかに惜しからじと。
シテ〔上羽〕「今は思えばとにかくに。
地謡「船にも乗るまじ留まるまじと。
巌にあがりて十念しすでに憂き身を投げんとす。
唐土や日の本の。子どもは左右にとり付きて。
これをいかにと悲しめば。
さすが心もよわよわとなりぬることぞ.悲しき。
今日の部分は、独吟でもよく謡われる部分で、第37回名古屋春栄会では、女性会員による連吟で謡われます。
今日の名古屋は、冬晴れの寒い一日でした。
謡の稽古は『唐船』の5回目で、今日の場面は、祖慶官人が、祖国に残してきた二人の息子、ソンシとソイウとともに帰国しようとするも、日本子二人は連れて行けないと言われ、悩む場面です。
舟子「いかに申し候。いちだんの追風がおりて候。
急ぎお船に召され候え。
ソンシ「いかに申し候。追風がおりて候。
急ぎお船に召され候え。
シテ「さらばやがて乗ろうずるにて候。
日本子「あら悲しやわれをも連れておん入り候え。
シテ「げにげに出船の習い。汝らがことをはったと忘れて候。
急ぎ船に乗り候え。
ワキ「暫く。汝らことはこの所にて生れ訴訟の者なり。
いつまでも某が召し使うずるぞ。こなたへ来たり候え。
日本子(二人)「あら情なのおん事や。大和なでしこの花だにも。
同じ種とて唐土の。唐紅に咲く物を。薄くも濃くも花は花。
情なくこそ候えとよ。
ワキ「とかくの問答無益なり。ことさら出船の門出なれば。
叶うまじいにてあるぞよと。
ソンシ、ソイウ「時刻うつりて叫うまじ。急ぎお船に召されよと。
はやとも綱をとくとくと。
シテ「呼ぶ子もあれば。
日本子(二人)「とリ止むる。
シテ「中に留まる.父ひとり。
地謡「たつぎも知らず泣きいたり。
身もがな二つ箱崎の.うらめしの心づくしや。
たとえば親の子を思うこと。人倫に限らず。
焼け野の雉子夜の鶴。梁の燕も。みな子ゆえにぞ.もの思え。
〔クセ〕
いわんやわれはさなきだに。明日をも知らぬ老の身の。
子ゆえに捨てん命は何なかなかに惜しからじと。
シテ〔上羽〕「今は思えばとにかくに。
地謡「船にも乗るまじ留まるまじと。
巌にあがりて十念しすでに憂き身を投げんとす。
唐土や日の本の。子どもは左右にとり付きて。
これをいかにと悲しめば。
さすが心もよわよわとなりぬることぞ.悲しき。
今日の部分は、独吟でもよく謡われる部分で、第37回名古屋春栄会では、女性会員による連吟で謡われます。