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『福家警部補の挨拶』が文庫化されました。

以前から気になっていたので、早速読みました。
福家警部補の挨拶』(大倉崇裕著、創元推理文庫、348ページ、819円、2008年12月12日発売)は、冒頭で犯人の視点から犯行の状況が語られ、その後、捜査の担当になった福家〔ふくいえ〕警部補が事件を解明する様子が語られるという倒叙形式の本格ミステリです。
著者がテレビドラマ「刑事コロンボ」の大ファンで、「刑事コロンボ」のノベライズも執筆したことがあるというのは、本書の解説で初めて知りましたが、それを知って読むとコロンボシリーズへのオマージュともいえる短編集です。

収録作品は、「最後の一冊」、「オッカムの剃刀」、「愛情のシナリオ」、「月の雫」の4篇で、それぞれ、文庫の裏表紙の解説によると“本への愛を貫く私設図書館長、退職後大学講師に転じた科警研の名主任、長年のライバルを葬った女優、良い酒を造り続けるために水火を踏む酒造会社社長”が犯人です。

福家警部補の挨拶

でも、“水火を踏む”とは最近あまり見かけない表現ですよね(もしかして、最近、流行っているのでしょうか?)。
ちなみに、“水火を踏む”は、“危険を冒す”という意味の慣用句で、『列子』「黄帝」の
魏文侯聞之、問子夏曰、彼何人哉、子夏曰、以商所聞夫子之言、和者大同於物、物無得傷亥閡者、游金石、蹈水火、皆可也、文侯曰、吾子奚不爲之、子夏曰、刳心去智、商未之能、雖然試語之有暇矣、文侯曰、夫子奚不爲之、子夏曰、夫子能之而能不爲者也、文侯大説
が出典とのことです。

私は、この4編の中では「月の雫」が1番だと思います。ラストシーンが絵になるし…。
小柄で童顔な為か全く刑事には見てもらえないものの、その洞察力・推理力で難事件を解決する福家警部補
その酒豪ぶりや映画マニアぶりも面白くてチャーミングです。
とても魅力的な人物なので、続編も読みたくなりました。

なお、来年、1月2日(金)の午後9時からNHK総合テレビで「福家警部補の挨拶~オッカムの剃刀」と題してドラマ化されるそうです。ちなみに、福家警部補役は、永作博美さんとのことです。
ドラマを見るのも楽しみです。



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現場を検分し鑑識の報告を受けて聞き込みを始める頃には、事件の真相が見えている?! おなじみ刑事コロンボ、古畑任三郎の手法で畳みかける... ...

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