2007/04/14 22:03:07
『三井寺』の謡の稽古は、
今日が7回目。
4月に入って最初の稽古。
上羽から、三井寺の稚児がわが子と気づくところまででした。
〔上羽〕
シテ「月落ち鳥鳴いて。
地謡「霜天に満ちてすさまじく.
江村の漁火もほのかに半夜の鐘のひびきは。
客の舟にや.通うらん.蓬窓雨しただりて.馴れし汐路の楫枕。
浮き寝ぞかわるこの海は。波風も静かにて。
秋の夜すがら月澄む。三井寺の鐘ぞ.さやけき。
シテ「かように狂いめぐれども。わが子に似たる人だにもなし。
あらわが子恋しや候。
子方「いかに申すべき事の候。
ワキ「なに事にて候ぞ。
子方「これなる物狂の国里を問うてたまわり候え。
ワキ「安き事問うて参らしょうずるにて候。
いかにこれなる狂女。おことの国里はいずくの人ぞ。
シテ「これは駿河の国清見が関の者にて候。
子方「なにのう清見が関の者と申し候か。
シテ「あらふしぎや。今の幼声は正しく別れし千満殿にてはなきか。
ワキ「これは筋なき事を申す者かな。
シテ「のうこれは物には狂わぬものを。物に狂うもあの児ゆえなれば。
会う時はなにしに狂いさむろうべき。正しくわが子にて候ものを。
ワキヅレ「そこ立ちのき候え。
子方「のうさのみなおん打ち候いそ。
ワキ「や。はや色に出ださせたまいて候。まっすぐにおん名乗り候え。
子方「今はなにをか包むべき。これは駿河の国清見が関の者なりしが。
人商人の手にわたり。今この寺にありながら。母上われを尋ねたまいて。
かように狂い出てたもうとは。夢にもわれは知らぬなり。
仕舞『柏崎 道行』は、3度目の通しての稽古。
今月28日の伊勢神宮奉納能で舞う予定ですが、今日が最後の稽古かもしれないのに、完成度の低いままで終わってしまいました。
今日が7回目。
4月に入って最初の稽古。
上羽から、三井寺の稚児がわが子と気づくところまででした。
〔上羽〕
シテ「月落ち鳥鳴いて。
地謡「霜天に満ちてすさまじく.
江村の漁火もほのかに半夜の鐘のひびきは。
客の舟にや.通うらん.蓬窓雨しただりて.馴れし汐路の楫枕。
浮き寝ぞかわるこの海は。波風も静かにて。
秋の夜すがら月澄む。三井寺の鐘ぞ.さやけき。
シテ「かように狂いめぐれども。わが子に似たる人だにもなし。
あらわが子恋しや候。
子方「いかに申すべき事の候。
ワキ「なに事にて候ぞ。
子方「これなる物狂の国里を問うてたまわり候え。
ワキ「安き事問うて参らしょうずるにて候。
いかにこれなる狂女。おことの国里はいずくの人ぞ。
シテ「これは駿河の国清見が関の者にて候。
子方「なにのう清見が関の者と申し候か。
シテ「あらふしぎや。今の幼声は正しく別れし千満殿にてはなきか。
ワキ「これは筋なき事を申す者かな。
シテ「のうこれは物には狂わぬものを。物に狂うもあの児ゆえなれば。
会う時はなにしに狂いさむろうべき。正しくわが子にて候ものを。
ワキヅレ「そこ立ちのき候え。
子方「のうさのみなおん打ち候いそ。
ワキ「や。はや色に出ださせたまいて候。まっすぐにおん名乗り候え。
子方「今はなにをか包むべき。これは駿河の国清見が関の者なりしが。
人商人の手にわたり。今この寺にありながら。母上われを尋ねたまいて。
かように狂い出てたもうとは。夢にもわれは知らぬなり。
仕舞『柏崎 道行』は、3度目の通しての稽古。
今月28日の伊勢神宮奉納能で舞う予定ですが、今日が最後の稽古かもしれないのに、完成度の低いままで終わってしまいました。