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名古屋は雨の朝でした。

今朝は冷たい雨が降っていました。秋の雨の朝は、寂しい気持ちになります。
そんな気持ちを感じさせる中原中也の『修羅街輓歌』は4連で構成されています。今日紹介するのは、最後の4です。

修羅街輓歌』(中原中也)

IIII

いといと淡き今日の日は
雨蕭々と降り洒ぎ
水より淡き空気にて
林の香りすなりけり。

げに秋深き今日の日は
石の響きの如くなり。
思ひ出だにもあらぬがに
まして夢などあるべきか。

まことや我は石のごと
影の如くは生きてきぬ……
呼ばんとするに言葉なく
空の如くははてもなし。

それよかなしきわが心
いはれもなくて拳する
誰をか責むることかある?
せつなきことのかぎりなり。



蕭々”という言葉で多くの人が思い出すのは、司馬遷の『史記』「刺客列伝」の荊軻
風蕭々として易水寒し
壮士ひとたび去ってまた還らず

という言葉でしょう。
中也も当然そのことを知っていて、この言葉を使ったのだと思いますが、その意図は私にはわかりません。




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kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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