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今日は、夕方から本格的な雨になりました。

最近、なかなか当たらない天気予報ですが、今日も名古屋は予報よりも大分遅く、夕方になって本格的に雨が降り出しました。

今日は、芥川龍之介の短編『』を紹介します。
芥川は、カエルの声を『ころろ、からら』と表現しています。
カエルの声がうるさい季節の到来ですが、我が家の周辺には田んぼも池もないので、ここ数年はカエルの声を聞くことはほとんどありません。

』(芥川龍之介)

 自分の今寝ころんでゐる側に、古い池があつて、そこに蛙が沢山ゐる。
 池のまはりには、一面に芦や蒲が茂つてゐる。その芦や蒲の向うには、背の高い白楊の並木が、品よく風に戦いでゐる。その又向うには、静な夏の空があつて、そこには何時も細い、硝子のかけのやうな雲が光つてゐる。さうしてそれらが皆、実際よりも遙に美しく、池の水に映つてゐる。
 蛙はその池の中で、永い一日を飽きず、ころろ、かららと鳴きくらしてゐる。ちよいと聞くと、それが唯ころろ、かららとしか聞えない。が、実は盛に議論を闘してゐるのである。蛙が口をきくのは、何もイソツプの時代ばかりと限つてゐる訳ではない。
 中でも芦の葉の上にゐる蛙は、大学教授のやうな態度でこんなことを云つた。
「水は何の為にあるか。我々蛙の泳ぐ為にあるのである。虫は何の為にゐるか。我々蛙の食ふ為にゐるのである。」




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kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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