fc2ブログ
2023 / 09
≪ 2023 / 08   - - - - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  2023 / 10 ≫

庭は、新緑の庭になりました。

実家の庭は、すっかり初夏の庭になっていました。
アザレアの花も満開でした。

アザレア2008


アザレアは、半耐寒性の常緑低木で、西洋ツツジとも呼ばれます。
日本や中国原産のツツジが、19世紀にヨーロッパに渡り、品種改良されたもののことをアザレアと呼ぶそうで、多くの園芸品種があり、普通のツツジより早く春に咲くとのことです。
しかし、実家の庭では半日陰に植わっているせいなのか、フジと同じ頃に満開になります。

芥川龍之介に初夏の庭の様子を木々を擬人化して描いた「新緑の庭」という短編があります。

新緑の庭』(芥川龍之介)

 桜 さつぱりした雨上りです。尤も花の萼は赤いなりについてゐますが。

 椎 わたしもそろそろ芽をほごしませう。このちよいと鼠がかつた芽をね。

 竹 わたしは未だに黄疸ですよ。…………

 芭蕉 おつと、この緑のランプの火屋を風に吹き折られる所だつた。

 梅 何だか寒気がすると思つたら、もう毛虫がたかつてゐるんだよ。

 八つ手 痒いなあ、この茶色の産毛のあるうちは。

 百日紅 何、まだ早うござんさあね。わたしなどは御覧の通り枯枝ばかりさ。

 霧島躑躅 常――常談云つちやいけない。わたしなどはあんまり忙しいもんだから、今年だけはつい何時にもない薄紫に咲いてしまつた。

 覇王樹(サボテン) どうでも勝手にするが好いや。おれの知つたことぢやなし。

 石榴 ちよいと枝一面に蚤のたかつたやうでせう。

 苔 起きないこと?
 石 うんもう少し。

 楓 「若楓茶色になるも一盛り」――ほんたうにひと盛りですね。もう今は世間並みに唯水々しい鶸色です。おや、障子に灯がともりました。


よく読むと花が咲いているのはツツジだけ、そして、そのツツジも例年と違う色で咲いてしまっています。



この記事へコメントする















kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

08 | 2023/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30