2008/04/21 20:05:42
庭は、新緑の庭になりました。
実家の庭は、すっかり初夏の庭になっていました。
アザレアの花も満開でした。

アザレアは、半耐寒性の常緑低木で、西洋ツツジとも呼ばれます。
日本や中国原産のツツジが、19世紀にヨーロッパに渡り、品種改良されたもののことをアザレアと呼ぶそうで、多くの園芸品種があり、普通のツツジより早く春に咲くとのことです。
しかし、実家の庭では半日陰に植わっているせいなのか、フジと同じ頃に満開になります。
芥川龍之介に初夏の庭の様子を木々を擬人化して描いた「新緑の庭」という短編があります。
『新緑の庭』(芥川龍之介)
桜 さつぱりした雨上りです。尤も花の萼は赤いなりについてゐますが。
椎 わたしもそろそろ芽をほごしませう。このちよいと鼠がかつた芽をね。
竹 わたしは未だに黄疸ですよ。…………
芭蕉 おつと、この緑のランプの火屋を風に吹き折られる所だつた。
梅 何だか寒気がすると思つたら、もう毛虫がたかつてゐるんだよ。
八つ手 痒いなあ、この茶色の産毛のあるうちは。
百日紅 何、まだ早うござんさあね。わたしなどは御覧の通り枯枝ばかりさ。
霧島躑躅 常――常談云つちやいけない。わたしなどはあんまり忙しいもんだから、今年だけはつい何時にもない薄紫に咲いてしまつた。
覇王樹(サボテン) どうでも勝手にするが好いや。おれの知つたことぢやなし。
石榴 ちよいと枝一面に蚤のたかつたやうでせう。
苔 起きないこと?
石 うんもう少し。
楓 「若楓茶色になるも一盛り」――ほんたうにひと盛りですね。もう今は世間並みに唯水々しい鶸色です。おや、障子に灯がともりました。
よく読むと花が咲いているのはツツジだけ、そして、そのツツジも例年と違う色で咲いてしまっています。
実家の庭は、すっかり初夏の庭になっていました。
アザレアの花も満開でした。

アザレアは、半耐寒性の常緑低木で、西洋ツツジとも呼ばれます。
日本や中国原産のツツジが、19世紀にヨーロッパに渡り、品種改良されたもののことをアザレアと呼ぶそうで、多くの園芸品種があり、普通のツツジより早く春に咲くとのことです。
しかし、実家の庭では半日陰に植わっているせいなのか、フジと同じ頃に満開になります。
芥川龍之介に初夏の庭の様子を木々を擬人化して描いた「新緑の庭」という短編があります。
『新緑の庭』(芥川龍之介)
桜 さつぱりした雨上りです。尤も花の萼は赤いなりについてゐますが。
椎 わたしもそろそろ芽をほごしませう。このちよいと鼠がかつた芽をね。
竹 わたしは未だに黄疸ですよ。…………
芭蕉 おつと、この緑のランプの火屋を風に吹き折られる所だつた。
梅 何だか寒気がすると思つたら、もう毛虫がたかつてゐるんだよ。
八つ手 痒いなあ、この茶色の産毛のあるうちは。
百日紅 何、まだ早うござんさあね。わたしなどは御覧の通り枯枝ばかりさ。
霧島躑躅 常――常談云つちやいけない。わたしなどはあんまり忙しいもんだから、今年だけはつい何時にもない薄紫に咲いてしまつた。
覇王樹(サボテン) どうでも勝手にするが好いや。おれの知つたことぢやなし。
石榴 ちよいと枝一面に蚤のたかつたやうでせう。
苔 起きないこと?
石 うんもう少し。
楓 「若楓茶色になるも一盛り」――ほんたうにひと盛りですね。もう今は世間並みに唯水々しい鶸色です。おや、障子に灯がともりました。
よく読むと花が咲いているのはツツジだけ、そして、そのツツジも例年と違う色で咲いてしまっています。