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今日は、芥川龍之介の「煙草と悪魔

の2回目です。

タバコの語源は、スペイン語やポルトガル語の 「tabaco」と言われています。
タバコは、ナス科タバコ属の一年草で、現在栽培されているものではピンク色の花をつけるものが多いようです。
〔参考〕アダムとイブの末裔(JTのサイト内「タバコの“アダム”と“イブ”」から)
ただ、栽培農家では、葉に十分な栄養を行き渡らせるため、花は咲くと同時に切り落とされるのが普通のようです。
〔参考〕「タバコ」という植物(JTのサイト内「たばこの基礎知識」から)

黄牛( あめうし)とは、飴色の毛をした牛で、古くは、上等な牛として尊ばれたそうです。
清少納言も、「枕草子」の第42段で『にげなきもの(似合わないもの)』で、『月のいとあかきに、やかたなき車にあひたる。又さる車にあめうしかけたる。(月がとても明るい夜に、屋根もないような質素な牛車に、あめ色の牛をつけているとき)』と述べています。


煙草と悪魔』〔2〕(芥川龍之介)

 それから、幾月かたつ中に、悪魔の播いた種は、芽を出し、茎をのばして、その年の夏の末には、幅の広い緑の葉が、もう残りなく、畑の土を隠してしまつた。が、その植物の名を知つてゐる者は、一人もない。フランシス上人が、尋ねてさへ、悪魔は、にやにや笑ふばかりで、何とも答へずに、黙つてゐる。
 その中に、この植物は、茎の先に、簇々として、花をつけた。漏斗のやうな形をした、うす紫の花である。悪魔には、この花のさいたのが、骨を折つただけに、大へん嬉しいらしい。そこで、彼は、朝夕の勤行をすましてしまふと、何時でも、その畑へ来て、余念なく培養につとめてゐた。
すると、或日の事、(それは、フランシス上人が伝道の為に、数日間、旅行をした、その留守中の出来事である。)一人の牛商人が、一頭の黄牛をひいて、その畑の側を通りかかつた。見ると、紫の花のむらがつた畑の柵の中で、黒い僧服に、つばの広い帽子をかぶつた、南蛮の伊留満が、しきりに葉へついた虫をとつてゐる。牛商人は、その花があまり、珍しいので、思はず足を止めながら、笠をぬいで、丁寧にその伊留満へ声をかけた。
 ――もし、お上人様、その花は何でございます。




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kinkun

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