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今日は、ひな祭りです。

私は弟が一人いるだけなので、子どもの頃は家に雛人形はありませんでした。
だから、ひな祭りの思い出は、ほとんどありません。
しかし、女性は雛人形にはさまざまな思いがあるようです。
今日は、そんな雛人形を題材にした芥川龍之介の短編『』の前半を紹介します。
話は、大名貸しをしていたため、明治維新で没落した商家の主人が、ついに娘・お鶴雛人形を横浜のアメリカ人に30円で売ることになるところから始まります。
英語を学び、ひな祭り自体を旧弊なものという兄の英吉には、雛人形を売ることに何の抵抗もありません。
しかし、お鶴には雛人形に対して、いろいろと思いがあるようですが、家のことを考えて黙っています。お鶴にはあまり雛人形に対する思いがありませんでした。しかし、が病気になり、雛人形を手放す日が近づいてくると…。

なお、お鶴がかかった「面疔」とは、黄色ブドウ球菌が顔の毛孔に侵入して、顔の毛孔に化膿性の病変があらわれる病気のことで、症状としては、痛みを伴う赤い盛り上がりができ、その中に膿が溜まります。
口の周囲・額・鼻などにできやすく、かつては炎症が頭蓋内に及んで脳膜炎などを起こすことが頻繁にあり、死に至ることもあるとして恐れられていたそうです。
栄養状態がよくなり、抗生物質による治療も可能な現在では、心配するような病気ではなくなったそうです。

』〔上〕(芥川龍之介)


箱を出る顔忘れめや雛二対  蕪村

 これは或老女の話である。

 ……横浜の或亜米利加(アメリカ)人へ雛を売る約束の出来たのは十一月頃のことでございます。紀の国屋と申したわたしの家は親代々諸大名のお金御用を勤めて居りましたし、殊に紫竹とか申した祖父は大通の一人にもなつて居りましたから、雛もわたしのではございますが、中々見事に出来て居りました。まあ、申さば、内裏雛は女雛の冠の瓔珞にも珊瑚がはひつて居りますとか、男雛の塩瀬の石帯にも定紋と替へ紋とが互違ひに繍ひになつて居りますとか、さう云ふ雛だつたのでございます。




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kinkun

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