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今日から3回にわたり、漱石を、突然訪ねてきたの話を紹介します。

漱石の家を、突然、全く知らないが訪ねてきて、身の上話をするという話です。
話の内容は、次回の冒頭で 「その女の告白は聴いている私を息苦しくした位に悲痛を極めたものであった」とだけ書かれていています。漱石は、との「あなたの許諾を得ない以上は、たといどんなに書きたい事柄が出て来てもけっして書く気遣はありませんから御安心なさい」という約束を守ったのでしょう。
漱石は、の精神状態が非常に危うい状態にあることを十分に承知しており、何とか助けたいと思っています。しかし、漱石は、また、このような場合、慰めの言葉がいかに無力であるかも知り尽くしています。漱石の苦悩は、ここにあります。


硝子戸の中』(夏目漱石)




 私はその女に前後四五回会った。
 始めて訪ねられた時私は留守であった。取次のものが紹介状を持って来るように注意したら、彼女は別にそんなものを貰う所がないといって帰って行ったそうである。
 それから一日ほど経って、女は手紙で直接に私の都合を聞き合せに来た。その手紙の封筒から、私は女がつい眼と鼻の間に住んでいる事を知った。私はすぐ返事を書いて面会日を指定してやった。






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kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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