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「なりゆきに任せる外はない。」


姫君は「宿命のせんなさ」について、こう話します。
だから、が陸奥の守に任ぜられたの父と共に東国に下ると聞いても、連れて行ってほしいとも、お金を置いていってほしいとも言えなかったのでしょうか。いや言うことすら思い浮かばなかったのかもしれません。


『六の宮の姫君』(芥川龍之介)



しかし姫君は何時の間にか、夜毎に男と会ふやうになつた。
男は乳母の言葉通りやさしい心の持ち主だつた。
顔かたちもさすがにみやびてゐた。
その上姫君の美しさに、何も彼も忘れてゐる事は、殆誰の目にも明らかだつた。
姫君も勿論この男に、悪い心は持たなかつた。
時には頼もしいと思ふ事もあつた。
が、蝶鳥の几帳を立てた陰に、燈台の光を眩しがりながら、男と二人むつびあふ時にも、嬉しいとは一夜も思はなかつた。




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kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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