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「目黒の狂女」を読みました。

「目黒の狂女 中村雅楽探偵全集3」(戸板康二著、創元推理文庫、1300円、2007年6月29日発売)を今日、読了しました。

この本もこれまでの2巻同様600ページを超える厚さで668ページ。今回は、ついに通勤の地下鉄で読むために、いつもより少し早めに家を出て、座れる車両を探していしまいました。

話は、前々作、前作同様、引退同然となった老歌舞伎役者・中村雅楽が、懇意の新聞記者・竹野が持ち込む不思議な事件の謎を解き明かすという短編。
初期の作品とは異なり、表題作の「目黒の狂女」を始めこの巻に収められている作品では殺人事件はまったく起こりません。その謎もいわゆる日常の謎(歴史上の謎を雅楽が解き明かす「淀君の謎」を除きます)。
雅楽の魅力的な語り口の推理としゃれたオチが印象に残る作品群です。
この巻の23編の中で、私が一番気に入ったのは、「女形の災難」です。

今回、1点、気になったことがあります。
むかしの写真」で、中村雅楽昭和3年の秋に結婚したと言っているのに、「砂浜と少年」では、大正15年の夏に妻女と葉山に保養に出かけているという点です(この2作品が並んで収録されていなかったら、気がつかなかったかもしれませんが…)。
発表年を見ると、掲載誌は異なるものの「むかしの写真」が1978年9月、「砂浜と少年」が1978年11月と接近しているので、作者の記憶違いというよりは、そもそも作者は雅楽のプロフィールの整合性について、あまり気にしていなかったのではないかと思いますが、少し気になりました。

この巻の解説は、松井今朝子さん。歌舞伎に詳しい作家なので、このシリーズの解説者としては最適な方だと思いますが、昨日、「吉原手引草」で第137回直木賞を受賞されたというニュースを見たばかりだったので、今日、この解説を読んだときに少し驚きました。

全体の文章は、前作までと比べ、発表年が1976年から1983年(「かんざしの紋(1968年)」、「淀君の謎(1969年)」を除きます)と、少し今に近づいたので、文章の古めかしさがあまり感じられなくなりました。相変わらず平易で読みやすい文章です。

これからの2冊も楽しみです。






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kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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