2010/10/19 19:41:13
今日は、日曜日(2010年10月17日)に行った名古屋市博物館で開催中の名古屋開府400年記念特別展「変革のとき 桃山」〔2010年9月25日(土)~11月7日(日)〕の紹介の2回目です。
※名古屋市博物館の名古屋開府400年記念特別展「変革のとき 桃山」のページ:http://www.museum.city.nagoya.jp/tenji100925.html

[2010年10月17日(日)撮影]
第2章 南蛮の刺激
(1)南蛮趣味
桃山時代に大流行した“南蛮趣味”に関する展示でした。
大阪城天守閣所蔵の『南蛮屏風』〔前期のみの展示〕は、右隻に日本の港の様子が、左隻に中国の港の様子が描かれていました。
中国の港の様子が描かれているのはユニークだと感じました。
※『南蛮屏風』・左隻:http://www.nmao.go.jp/japanese/self_and_other/works/images/09.jpg(国立国際美術館のサイトから)
つばが白いヤクの毛でできている『唐人笠』は今見てもかなりエキゾチックなデザインなので、当時の人は驚いたことだろうと思いました。
また、描かれている外国人の顔の白い色が鮮やかな『南蛮密陀絵盆』も印象に残りました。
密陀絵というのは油絵の一種だそうで、実物を初めて見ました。
ここでは、ウンスンカルタも何点か展示されていました。
図柄は西洋風のもの、中国風のもの、日本風のものが入り混じっていて、国際色豊かだった当時の世相が彷彿されます。
なお、ウンスンカルタというのは、ポルトガルから伝わったカルタを日本風にアレンジしたものだそうで、1組75枚とのこと。
“カルタ”という言葉もポルトガル語からきたものだそうですが、ポルトガル語で“ウン”は1、“スン”は最高という意味だそうです。
私はウンスンカルタというのは、恥ずかしながら知りませんでした。
私のような観覧者もいると思うので、会場にもう少し詳しく説明があると良かったと思います。
※『ウンスンカルタ』:http://www.kyuhaku.com/pr/collection/images/sz/p23.jpg(九州国立博物館のサイトから)
(2)輸出漆器
この時代、日本の漆器はヨーロッパ向けの重要な輸出品となりますが、なかでもキリスト教の祭壇を飾った聖龕や聖餅箱などの宗教用具には、高価な蒔絵や螺鈿の技術を使ったものが数多く作られ、輸出されたとのことで、ここではそうしたものが展示されていました。
蒔絵と螺鈿で装飾された製品が一堂に展示されており、非常に豪華で華やかな空間となっていました。
なかでも、角徳利が6本1組で櫃に納められている京都国立博物館所蔵の『花鳥蒔絵螺鈿角徳利及び櫃』の繊細なデザインと緻密な細工、そしてその保存状態の良さは目を引きました。
※『花鳥蒔絵螺鈿角徳利及び櫃』:http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=19657(文化遺産オンラインから)
聖龕の展示コーナーは照明を落としてあり、荘厳な雰囲気を醸し出していました。
なかでも、落ち着いた色調の蒔絵と螺鈿の緻密で繊細なデザインが秀逸な東京国立博物館所蔵で重要文化財の『花樹鳥獣蒔絵螺鈿聖龕』〔前期のみの展示〕は、中に描かれた油絵のキリスト磔刑図も非常に写実的で見事で、しばらく見入ってしまいました。
※『花樹鳥獣蒔絵螺鈿聖龕』:http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=38311(文化遺産オンラインから)
一方、九州国立博物館所蔵の『花鳥蒔絵螺鈿聖龕』は、明るい感じで描かれている中の聖家族と聖ヨハネ図に合わせたように、蒔絵と螺鈿も明るい色調でデザインされていました。
※『花鳥蒔絵螺鈿聖龕』:http://www.museum.city.nagoya.jp/tenji10/100925/72407.jpg(名古屋市博物館のサイトから)
今回の展覧会は、世界中に30点前後しか残っていないという聖龕のうち7点を一堂に見ることができる贅沢な展示です。
この点をもう少し宣伝してもいいのではと感じました。
<続きは明日以降、紹介させていただきます。>
※名古屋市博物館の名古屋開府400年記念特別展「変革のとき 桃山」のページ:http://www.museum.city.nagoya.jp/tenji100925.html

[2010年10月17日(日)撮影]
第2章 南蛮の刺激
(1)南蛮趣味
桃山時代に大流行した“南蛮趣味”に関する展示でした。
大阪城天守閣所蔵の『南蛮屏風』〔前期のみの展示〕は、右隻に日本の港の様子が、左隻に中国の港の様子が描かれていました。
中国の港の様子が描かれているのはユニークだと感じました。
※『南蛮屏風』・左隻:http://www.nmao.go.jp/japanese/self_and_other/works/images/09.jpg(国立国際美術館のサイトから)
つばが白いヤクの毛でできている『唐人笠』は今見てもかなりエキゾチックなデザインなので、当時の人は驚いたことだろうと思いました。
また、描かれている外国人の顔の白い色が鮮やかな『南蛮密陀絵盆』も印象に残りました。
密陀絵というのは油絵の一種だそうで、実物を初めて見ました。
ここでは、ウンスンカルタも何点か展示されていました。
図柄は西洋風のもの、中国風のもの、日本風のものが入り混じっていて、国際色豊かだった当時の世相が彷彿されます。
なお、ウンスンカルタというのは、ポルトガルから伝わったカルタを日本風にアレンジしたものだそうで、1組75枚とのこと。
“カルタ”という言葉もポルトガル語からきたものだそうですが、ポルトガル語で“ウン”は1、“スン”は最高という意味だそうです。
私はウンスンカルタというのは、恥ずかしながら知りませんでした。
私のような観覧者もいると思うので、会場にもう少し詳しく説明があると良かったと思います。
※『ウンスンカルタ』:http://www.kyuhaku.com/pr/collection/images/sz/p23.jpg(九州国立博物館のサイトから)
(2)輸出漆器
この時代、日本の漆器はヨーロッパ向けの重要な輸出品となりますが、なかでもキリスト教の祭壇を飾った聖龕や聖餅箱などの宗教用具には、高価な蒔絵や螺鈿の技術を使ったものが数多く作られ、輸出されたとのことで、ここではそうしたものが展示されていました。
蒔絵と螺鈿で装飾された製品が一堂に展示されており、非常に豪華で華やかな空間となっていました。
なかでも、角徳利が6本1組で櫃に納められている京都国立博物館所蔵の『花鳥蒔絵螺鈿角徳利及び櫃』の繊細なデザインと緻密な細工、そしてその保存状態の良さは目を引きました。
※『花鳥蒔絵螺鈿角徳利及び櫃』:http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=19657(文化遺産オンラインから)
聖龕の展示コーナーは照明を落としてあり、荘厳な雰囲気を醸し出していました。
なかでも、落ち着いた色調の蒔絵と螺鈿の緻密で繊細なデザインが秀逸な東京国立博物館所蔵で重要文化財の『花樹鳥獣蒔絵螺鈿聖龕』〔前期のみの展示〕は、中に描かれた油絵のキリスト磔刑図も非常に写実的で見事で、しばらく見入ってしまいました。
※『花樹鳥獣蒔絵螺鈿聖龕』:http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=38311(文化遺産オンラインから)
一方、九州国立博物館所蔵の『花鳥蒔絵螺鈿聖龕』は、明るい感じで描かれている中の聖家族と聖ヨハネ図に合わせたように、蒔絵と螺鈿も明るい色調でデザインされていました。
※『花鳥蒔絵螺鈿聖龕』:http://www.museum.city.nagoya.jp/tenji10/100925/72407.jpg(名古屋市博物館のサイトから)
今回の展覧会は、世界中に30点前後しか残っていないという聖龕のうち7点を一堂に見ることができる贅沢な展示です。
この点をもう少し宣伝してもいいのではと感じました。
<続きは明日以降、紹介させていただきます。>
螺鈿の貝のあえかな輝きをまとった藤(不死)の花房がイエス様を飾る…! 桃山の感性はなんと豪快な東西の融合、かつ繊細なんでしょう。欧州の七宝職人に勝るとも劣りませんね…素晴らしいものを居ながらにして拝見させて頂きました。写真をUPしたりリンクを貼りながら記事を書くのは楽ではありませんよね…感謝いたします。
misia2009さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
今回の展覧会は、国内にある聖龕のほとんどすべてが展示されるという豪華な展示です。
この妖しげといっても言い(宗教用具なので不適切な表現なのかもしれませんが…)美しさを見ると、ヨーロッパの王侯貴族たちに珍重されたというのがわかります。
これからもよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
今回の展覧会は、国内にある聖龕のほとんどすべてが展示されるという豪華な展示です。
この妖しげといっても言い(宗教用具なので不適切な表現なのかもしれませんが…)美しさを見ると、ヨーロッパの王侯貴族たちに珍重されたというのがわかります。
これからもよろしくお願いします。
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