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昨日、名都美術館に行きました。

体育の日(2010年10月11日)の名古屋は、残暑が戻ったような暑い晴天の一日でした。
午後から、名都美術館愛知県愛知郡長久手町)に出かけました。
名都美術館では、特別展京都の粋 琳派の継承 神坂雪佳」〔2010年9月29日(水)~11月14日(日)〕が開催中でした。
名都美術館のサイトの特別展京都の粋 琳派の継承 神坂雪佳」のページ:http://www.meito.hayatele.co.jp/exhibition/2010/1009.htm

名都美術館201010_01
[2010年10月11日(月)撮影]

この展覧会は、主に織物図案や工芸装飾などのデザイナーとして明治~昭和初期まで活躍した神坂雪佳(かみさか・せっか)の作品を日本随一のコレクションを誇る細見美術館の収蔵品と、雪佳のデザインの木版図案集を出版した版元・芸艸堂(うんそうどう)の収蔵品で紹介するものだそうです。
また、漆芸家であった弟・祐吉との合作である工芸作品も展示されていました。

展覧会は、3つの部門に分かれていました。

雪佳の魅力-近代琳派の誕生-1階展示室

ここの展示は、20点を超える細見美術館所蔵の肉筆画が中心でした。
最大の目玉展示は、この展覧会のパンフレットにも使われている『金魚玉図』です。
ユニークな構図とユーモラス感が圧巻でした。
※『金魚玉図』:http://www.meito.hayatele.co.jp/exhibition/2010/images/1009king.jpg名都美術館のサイトから)

椿にすみれ図』は、太い椿の幹とその根元の可憐なすみれの花の対比が見事でした。
また、『白梅図』もタイトルに“すみれ”の文字はないですが、似た構図です。こちらには、根元にタンポポも描かれており、その花の黄色も印象的でした。
紅葉白菊図』も樹の根元に草花という構図です。
作者はこの構図が気に入っていたようです。
ちなみに根元には、白菊だけではなく、青い花も描かれています。
この青い花、『十二ヶ月草花図』の「11月 蔦に嫁菜」の嫁菜に似ているので嫁菜でしょうか。
その『十二ヶ月草花図』の大胆なデフォルメとトリミングはとても斬新です。

能を題材にした作品もあり、『草子洗小町図』では、小野小町が蒔絵の入れ物で草子を洗っているところが描かれており、小町はこうやって帝の前で、草子を水で洗ったのだと気付きました。
この他、『菊慈童』という作品もありました。

ちなみに、「菊慈童」という演目は観世流にしかなく、金春流を含む他の4流派では同じ演目は「枕慈童」と呼ばれています。
なお、観世流にも「枕慈童」という演目の能もありますが、これは全く別の能だそうです。
また、「草子洗小町」も観世流の呼び方で、金春流喜多流では「草紙洗小町」と、宝生流金剛流では「草紙洗」と呼ばれています。
※能「枕慈童」のあらすじ:http://www.syuneikai.net/makurajido.htm(名古屋春栄会のサイトから)
※能「草紙洗小町」のあらすじ:http://www.syuneikai.net/soushiaraikomachi.htm(名古屋春栄会のサイトから)

また、かわいい感じに描かれている『寿老図』や『寒山拾得図』は見ていて楽しかったですし、昭和天皇の即位の礼に際して制作されたという『白鳳図』は、岩の部分のたらし込みが素晴らしかったです。

生活を彩る-工芸図案家として-中2階展示室2階展示室の一部

ここでは、六曲一双の『四季草花図屏風』が秀逸です。
鮮やかな色も素晴らしいのですが、特に左隻の地平線のラインを少し上げた着想が見事です。
※『四季草花図屏』:http://www.meito.hayatele.co.jp/exhibition/2010/images/1009siki.jpg名都美術館のサイトから)

漆芸家の弟・祐吉との合作の作品もいくつか展示されており、『春蔦蒔絵螺鈿硯箱』が印象に残りました。
※『春蔦蒔絵螺鈿硯箱』:http://www.meito.hayatele.co.jp/exhibition/2010/images/1009haru3.gif名都美術館のサイトから)

また、2階展示室に展示されていた雪佳の案・絵の『若松鶴図文机・硯箱』は、白木に描かれた鶴の白色が目に鮮やかで、素材との組み合わせの妙が光ります。

雪佳のデザイン-版本類にみる図案-2階展示室

ここでは、雪佳の図案集を発行した芸艸堂所蔵の品が中心です。
代表作『百々世草』の原画が20点以上展示されていました。

百々世草』は、ユーモラスな感じが微笑ましい「狗児」(木版画)や「六歌仙」(木版画)、トリミングの妙が際立つ「白鷺」(原画)や「雪中竹」(原画)、能を題材にした「野宮」(原画)や「忠度」(原画)などバラエティに富んだ内容でした。
※能「野宮」のあらすじ:http://www.syuneikai.net/nonomiya.htm(名古屋春栄会のサイトから)
※能「忠度」のあらすじ:http://www.syuneikai.net/tadanori.htm(名古屋春栄会のサイトから)

蝶をモチーフとした『蝶千種』、海や波をモチーフとした『海路』などの代表的な図案集も展示されていました。

ロビーに『百々世草』の中の「白鷺」の版木摺立順序が展示されており、興味深かったです。

昨年の夏に細見美術館に行った際に(2009年9月3日の日記参照)始めて知った神坂雪佳ですが、今回、その細見美術館のコレクションを名古屋で見ることができたのはうれしい驚きでした。

今回の展覧会は、全体で60点余りと比較的小規模ですが、神坂雪佳の全体像のわかる中身の濃い展覧会でした。
まだ、およそ1か月間会期がありますので、お近くの方はぜひお出かけください。

最後に最寄り駅となるリニモ杁ヶ池公園駅に貼ってあった展覧会のポスターを紹介します。
リニモ(東部丘陵線)の公式サイト:http://www.linimo.jp/

名都美術館201010_02
[2010年10月11日(月)撮影]

このポスターに使われている『百々世草』の中の「狗児」(ポスターの上半分の絵です)は、同じく『百々世草』の中の「雪中竹」などと共に平成13(2001)年に、日本人ではじめてエルメス社発行のカタログ誌LE MONDE D`HERMES(ル・モンド・エルメス)』の表紙に使われたそうです。

帰りのリニモの車内は、祝日ということで家族連れも目立ち、また、私立の大学では最近は祝日でも講義をするところがあるようで学生の姿も多く、珍しく混雑していました。



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