2009/11/07 20:14:25
今日の謡の稽古は、『藤永』の5回目。
謡の稽古は、およそ3か月ぶり(2009年8月15日の日記参照)となる『藤永』の5回目でした。
今日の場面は、「水戸黄門」で言えば、黄門様が印籠を出す場面です。
修行僧姿の最明寺時頼と月若丸、鳴尾某の前で舞をまった月若丸の叔父藤永に、最明寺時頼が、もう一曲所望します。
見ず知らずの修行僧に舞を所望されたことを、無礼と感じた藤永は、舞の中で八撥を打つと見せて修行僧を打とうとしますが、そのとき最明寺時頼は笠を取り、名乗ります。
シテ「しかれば船のせんの字を。
地謡「公にすすむと書きたり。さてまた天子のおん舸を。
竜舸と名付けたてまつり。舟を一葉ということ。
この御宇より始まれり。また君のご座舟を。
竜頭鷁首と申すも.このみ代より.起これり。
ワキ「ただいま舞もうたる者はいかなる者ぞ。
ワキ「近頃面白う舞うてある。今ひとさし舞え見うと言え。
能力「近頃憎き奴にて候間。某参りて打擲致そう。
シテ「ただ今は舞もうてある間。今度は八撥を打って聞かせうと言え。
能力「いやいや、それはいらぬ事にて候。
シテ「いやいや存ずる子細のある間。打って聞かしょうと言え。
能力「畏って候。
〔物着〕
ワキ「さらば急いで打てと言え。
能力「腹立ちや腹立ちや。
シテ「思いもよらぬ修行者に。舞一さし乞われたるは。
あっぱれ藤永が面目や。
総じて某八撥を打ったる事はなけれども。
あまりにかの者の憎さに。八撥打つとなずらえ。
わざと撥を大きにこしらえ。
お笠の内へ見参申さでは.かのうまじ。
〔羯鼓〕
地謡「もとより鼓は。波の音。もとより鼓は。波の音。
寄せては岸を。どうどは打ち。雨雲迷う。鳴神の。
とどろとどろと鳴る時は。降りくる雨ははらはらはらと。
小篠の竹の。音も八撥も。いざ打とういざ打とう。
シテ「さし扇をのけられ候え。
ワキ「やあこれこそ鎌倉の最明寺実信よ見忘れたるか藤永。
何とて八撥をば打たぬぞ。打てとこそ。
後半の大ノリの部分はテンポよく、また、最明寺時頼が名を明かす場面は力強く謡うように指導を受けました。
謡の稽古は、およそ3か月ぶり(2009年8月15日の日記参照)となる『藤永』の5回目でした。
今日の場面は、「水戸黄門」で言えば、黄門様が印籠を出す場面です。
修行僧姿の最明寺時頼と月若丸、鳴尾某の前で舞をまった月若丸の叔父藤永に、最明寺時頼が、もう一曲所望します。
見ず知らずの修行僧に舞を所望されたことを、無礼と感じた藤永は、舞の中で八撥を打つと見せて修行僧を打とうとしますが、そのとき最明寺時頼は笠を取り、名乗ります。
シテ「しかれば船のせんの字を。
地謡「公にすすむと書きたり。さてまた天子のおん舸を。
竜舸と名付けたてまつり。舟を一葉ということ。
この御宇より始まれり。また君のご座舟を。
竜頭鷁首と申すも.このみ代より.起これり。
ワキ「ただいま舞もうたる者はいかなる者ぞ。
ワキ「近頃面白う舞うてある。今ひとさし舞え見うと言え。
能力「近頃憎き奴にて候間。某参りて打擲致そう。
シテ「ただ今は舞もうてある間。今度は八撥を打って聞かせうと言え。
能力「いやいや、それはいらぬ事にて候。
シテ「いやいや存ずる子細のある間。打って聞かしょうと言え。
能力「畏って候。
〔物着〕
ワキ「さらば急いで打てと言え。
能力「腹立ちや腹立ちや。
シテ「思いもよらぬ修行者に。舞一さし乞われたるは。
あっぱれ藤永が面目や。
総じて某八撥を打ったる事はなけれども。
あまりにかの者の憎さに。八撥打つとなずらえ。
わざと撥を大きにこしらえ。
お笠の内へ見参申さでは.かのうまじ。
〔羯鼓〕
地謡「もとより鼓は。波の音。もとより鼓は。波の音。
寄せては岸を。どうどは打ち。雨雲迷う。鳴神の。
とどろとどろと鳴る時は。降りくる雨ははらはらはらと。
小篠の竹の。音も八撥も。いざ打とういざ打とう。
シテ「さし扇をのけられ候え。
ワキ「やあこれこそ鎌倉の最明寺実信よ見忘れたるか藤永。
何とて八撥をば打たぬぞ。打てとこそ。
後半の大ノリの部分はテンポよく、また、最明寺時頼が名を明かす場面は力強く謡うように指導を受けました。
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