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猿のような老婆との出会い

10日ほど間隔があいてしまいましたが、今日は、芥川龍之介の『羅生門』の3回目です(前回は10月21日)。

羅生門の楼の上で、下人と出会います。しかも、「猿のような老婆」と。
下人から嗅覚を奪ってしまった感情とは何なのでしょうか。

ある強い感情が、ほとんどことごとくこの男の嗅覚を奪ってしまったからだ。

それは、「六分の恐怖と四分の好奇心」なのでしょうか。
この老婆との出会いが、下人を変えていくことになります。


『羅生門』(芥川龍之介) その3


それから、何分かの後である。
羅生門の楼の上へ出る、幅の広い梯子の中段に、一人の男が、猫のように身をちぢめて、息を殺しながら、上の容子を窺っていた。
楼の上からさす火の光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。
短い鬚の中に、赤く膿を持った面皰のある頬である。
下人は、始めから、この上にいる者は、死人ばかりだと高を括っていた。
それが、梯子を二三段上って見ると、上では誰か火をとぼして、しかもその火をそこここと動かしているらしい。
これは、その濁った、黄いろい光が、隅々に蜘蛛の巣をかけた天井裏に、揺れながら映ったので、すぐにそれと知れたのである。
この雨の夜に、この羅生門の上で、火をともしているからは、どうせただの者ではない。



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kinkun

Author:kinkun
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