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2020 / 05
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かぐや姫の昇天

夜は更けて午前0時頃、竹取のの家の周辺が、昼間の以上に明るさで光ります。満月の明るさを十倍にしたぐらいの明るさです。
大空から人が雲に乗って、降りてきて、地上から5尺(約165cm)程の上の空中に立ち並びます。
これを見て、家の内外にいる人々の戦う気分も萎えてしまいます。弓を構えて矢をつがえようとしても、手に力が入りません。そして、互いに顔を見合わせているだけです。
雲に乗っている天人たちは清らかで美しく、空飛ぶ車を1台が用意されており、薄絹を張った天蓋がさしかけてあります。
天人一行の中のと思われる人が、竹取のに、「かぐや姫は、罪を犯したので賤しいおまえの元にしばらくいたのだ。もう充分罪を償ったので、こうして迎えに来たのだ。早くかぐや姫を出しなさい。」と命じます。
竹取のは、「ここにいるかぐや姫は、風病を患い、腫れ物だらけになって、顔もみせられません。」と答えます。
らしき天人は、それに返事もせずに、屋根に空飛ぶ車を寄せ、
かぐや姫、禊の済んだ今、この穢れた地上にいつまでいるつもりなのです。」と誘います。
すると、厳重に締め切ったはずの戸が、即座に大きく開きます。
抱きかかえていたの手を優しく振り払って、かぐや姫が表へ出てきます。
そして、竹取のに近寄り、「せめて天に昇るところだけでも、お見送りください。」とささやきますが、は、「どうして、わしを見捨てて昇天するのか。」を泣き伏します。
かぐや姫の心も乱れ、泣きながら文を書きます。

この国に生まれたのなら、両親の最期を看取ってから娘の私が旅立つというように、長い間おそばにいるのが世の習いですが、そういうわけにもいかず、こうしてお別れすることはつらくてたまりません。私の体で温めたこの着物を脱ぎますから、どうか形見と思ってご覧下さい。月の輝く夜には、そこに住むう私を思って、眺めてください。あまりにも心残りなので、道中、空からでも落ちて地上へ舞い戻ってしまいそうな気分です。

天人の一人が箱を二つ、持ってきます。一つには「天の羽衣」が、もう一つには「不死の薬」が入っています。
かぐや姫は、名残惜しむかのように、ゆっくりと1枚ずつ着物を脱ぎます。
すると、天人は箱から「天の羽衣」を取り出して、かぐや姫に着せようとします。
かぐや姫は、「しばらく待て。」とその天人を制し、あての文をしたためます。

こんなに大勢の人々を派遣して、私を引きとめようとなさったお心が胸にしみます。しかし、迎えがやってまいり、私を連れて行ってしまうのは無念で悲しいことです。宮仕えしないままでいたのも、このような身の上だからです。帝のご好意を強情に突き返してしまったことで、無礼な者とお思いになり、そのままあなたの心に残ることだけが気がかりです。

今はとて 天の羽衣 きるおりぞ 君をあはれと 思ひいでける


この文に「不死の薬」を添えて、頭中将を呼び寄せて、に渡すように頼みます。
天人が、かぐや姫に「天の羽衣」を着せると、かぐや姫の、この世での記憶や感情が闇のなかに吸い込まれていき、あとにはまっさらな記憶と、平安な心だけが残ります。
かぐや姫と呼ばれた「天の羽衣」を着た天人は、憂い悩みこともなく、空飛ぶ車に乗って、100人ほどの天人を伴って、天に昇ってしまいます。

月から天人の一行がかぐや姫を迎えに来る場面が、「竹取物語絵巻」に描かれています。
『高島藩主諏訪家伝来 竹取物語絵巻 下巻 絵4』(諏訪市博物館蔵)




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かぐや姫が月へ帰る日

かぐや姫の歌による交流を始めてから3年たちました。春の頃からかぐや姫は月を見ては、物思いにふけるようになります。
7月15日の夜にも思いつめているようのなで、侍女が竹取のに伝え、心配になった竹取のは、かぐや姫に何が心配なのかと尋ねます。
しかし、かぐや姫は心配ないと答えるのみです。
かぐや姫は月を見ると思い悩んでいるようで、竹取のも心配でなりません。
8月15日が近づいた月夜のある日、かぐや姫が縁側で泣いているので、竹取のが問いただすと、かぐや姫は「今まで黙っていましたが、私は月の都の者です。前世からの約束で、この世界にやってきましたが、今月15日には月に帰らなければなりません。」と言い、号泣します。
それを聞いた竹取のはあまりのことに泣きながら、その運命を怒り、嘆きます。
竹取の翁の屋敷の普通でない様子がの耳に入り、は竹取のの家に使者を遣わします。使者はほんのわずかの間に老け込んでしまった竹取のの様子に驚きます。
竹取のは、使者に今月15日にかぐや姫を迎えに月の都の人々が来ることを伝え、15日に兵士たちを派遣してかぐや姫を守ってほしいと頼みます。
使者の話を聞いたは、勅使少将高野の大国(おおくに)を総大将に六衛の司あわせて2000人もの兵士を、竹取のの家に派遣し、築地の上に1000人、屋根の上に1000人を配置します。
は、塗籠の中で、かぐや姫を抱きかかえ、は塗籠の戸を閉めて戸口を見張ります。
かぐや姫は、「このように私を閉じ込めても、月の都の人を相手に戦うことはできません。私は、の体が不自由になったときにお世話することもできず、月へ帰っていくことが心残りでなりません。」と話します。
竹取のは、かぐや姫の気持ちを理解しながらも、「立派な月の国の使者であろうと、邪魔立てさせない。」と憎しみを抑えられません。

かぐや姫が月を見て嘆く場面が、「竹取物語絵巻」に描かれています。
『高島藩主諏訪家伝来 竹取物語絵巻 下巻 絵3』(諏訪市博物館蔵)




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帝との交流


かぐや姫の美しさが、ついにの耳に入り、も入って、内侍中臣のふさ子に、「多くの求婚者たちに難題を課し、彼らの身を滅ぼしても会わないというかぐや姫とはどれほどの女なのか、見てまいれ」と命じます。
中臣のふさ子は竹取のの家を訪ね、に「かぐや姫が美しいと聞いたので、その様子をよく見てくるようにに命じられて来た。」と伝えます。
かぐや姫中臣のふさ子に会うように言いますが、かぐや姫は会おうとしません。
中臣のふさ子は、「の命をどうして聞かないのか」とに迫りますが、かぐや姫は「それなら早く私を殺してしまえ」と叫びます。
中臣のふさ子は御所に戻り、このことをに伝えます。
は、「さすがに多くの人々を殺してきただけのことはある」とおっしゃって、この件は終わります。
しかし、かぐや姫に関心を持っていたので、竹取のを召して、「汝が養っているかぐや姫を献上せよ」と命じます。
しかし、かぐや姫は、「無理に宮仕えをさせようとするならば、死んでしまう」と言うので、竹取のは仕方なくその旨をに伝えます。
それを聞いたは、「狩りの行幸をするような形で、それとなかぐや姫を見に行くことにしよう」とおっしゃいます。
は、急に狩りに出かけ、竹取のの家に寄って、かぐや姫をご覧になり、かぐや姫を輿に乗せて連れ帰ろうとされますが、かぐや姫は姿を消してしまいます。
は、かぐや姫が普通の人ではないと気付き、かぐや姫に歌を詠むと、かぐや姫も歌を返します。
その後、かぐや姫は歌によるやり取りを続けます。

が狩に出たふりをして竹取のの家を訪ね、かぐや姫と対面する場面が、「竹取物語絵巻」に描かれています。
『高島藩主諏訪家伝来 竹取物語絵巻 下巻 絵2』 (諏訪市博物館蔵)


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中納言石上麻呂への難題

石上麻呂(いそのかみのまろ)にかぐや姫が与えた難題が「燕の子安貝」。
燕の子安貝は空想上のもので、燕が生殖の神秘力を備える安産の象徴の鳥とされており、また、子安貝が貝の形が女性器に似ていることから、生殖の神秘力があるものと考えられていたので、この二つが結び付けられたものと言われています。
石上麻呂は、家臣に燕が巣を作ったら知らせるように命じると、ある者子安貝は人が見ると消えてしまうと言い、ある者は大飯寮の飯炊く屋の棟の柱の穴に燕が巣を作るので、その燕を取れば良いと言います。
石上麻呂は、それは良いことを聞いたと言って、早速、家臣に足場を作らせてて待ちますが、人がそばにいるので燕が巣を作りません。
すると、大飯寮の役人のくらつ麿と申す者が、足場を壊し、代わりに身軽な者を籠に乗せて吊り上げ、燕が子を産んだら、すぐに子安貝を取らせなさいと言います。
そこで、石上麻呂は、くらつ麿の言うとおりにして、燕が子を産むのを待っていると、燕が巣を作ります。
そこで、籠に人を乗せて吊り上げ、燕の巣に手を差し入れて探らせるが、何もないと言うので、石上麻呂は、自ら籠に乗り、巣の中を探ると、手に平たいものが触ったので、すぐ籠を下ろせと家臣に命じます。
家来たちが急いで籠を下ろそうとして、籠の綱を引きすぎたので、綱が切れてしまい、石上麻呂は仰向けに鼎の上に落ちてしまいます。
家臣たちが鼎の上から下ろし、石上麻呂が手を広げてみると、燕の糞を握っていました。
そして、そのショックから病気になってしまい、死んでしまいます。
そのことを聞いたかぐや姫は、少しかわいそうなことをした思いました。

綱が切れて石上麻呂が落ちてしまった場面が、「竹取物語絵巻」に描かれています。
『高島藩主諏訪家伝来 竹取物語絵巻 中巻 絵5』(諏訪市博物館蔵)



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大納言大伴御行への難題

大伴御行(おおとものみゆき)にかぐや姫が与えた難題が「龍の首の珠」。
大伴御行は家臣を呼び集め、龍の首の珠とってきたものには、願い事をかなえようと伝え、どこを探せばよいかわからないと渋る家来に、屋敷にある全てのものを与えて、見つかるまでは帰ってくるなと言って送り出します。
家臣たちは、どうせ見つからないともらうものはもらったものの、龍の首の珠など探さずどこかへ行ってしまいます。
そんなことと知らない大伴御行は、妻と別れ、かぐや姫と暮らす屋敷を建てて待っていたが、何の連絡もないので、難波の港に出かけ、船人に尋ねるが、龍神様を殺すような船はいないと言われます。
それを聞き、大伴御行は、自ら船に乗り込み、海という海をさまよい、大時化にあって、浜に打ち寄せられてしまいますが、そこは播磨の明石の浜だったので、輿で屋敷に戻ります。
屋敷に戻ってきた家臣が、龍の首の珠を取れなかったので戻ってこれませんでしたと言うと、龍神を捕らえようとして、多くの人々の命が危うくなったのは、かぐや姫のせいだと言い、かぐや姫の家には近づくなと命じます。

大伴御行が海で嵐にあう場面が、「竹取物語絵巻」に描かれています。
『高島藩主諏訪家伝来 竹取物語絵巻 中巻 絵3』(諏訪市博物館蔵)



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kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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