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今日の名古屋は冬晴れでした。

今日の名古屋は、先週来の寒さも一段落し、日ざしの暖かな一日でした。
しかし、やはり夜になると寒いです。
今日は、中原中也の『冷たい夜』を紹介します。

冷たい夜』(中原中也)

冬の夜に
私の心が悲しんでゐる
悲しんでゐる、わけもなく……
心は錆びて、紫色をしてゐる。

丈夫な扉の向ふに、
古い日は放心してゐる。
丘の上では
棉の実が罅裂ける。

此処では薪が燻つてゐる、
その煙は、自分自らを
知つてでもゐるやうにのぼる。

誘はれるでもなく
覓めるでもなく、
私の心が燻る……



私も、最近、体調が思わしくないせいか、寒い夜は心も冷たくなります。



名古屋は雨の朝でした。

今朝は冷たい雨が降っていました。秋の雨の朝は、寂しい気持ちになります。
そんな気持ちを感じさせる中原中也の『修羅街輓歌』は4連で構成されています。今日紹介するのは、最後の4です。

修羅街輓歌』(中原中也)

IIII

いといと淡き今日の日は
雨蕭々と降り洒ぎ
水より淡き空気にて
林の香りすなりけり。

げに秋深き今日の日は
石の響きの如くなり。
思ひ出だにもあらぬがに
まして夢などあるべきか。

まことや我は石のごと
影の如くは生きてきぬ……
呼ばんとするに言葉なく
空の如くははてもなし。

それよかなしきわが心
いはれもなくて拳する
誰をか責むることかある?
せつなきことのかぎりなり。



蕭々”という言葉で多くの人が思い出すのは、司馬遷の『史記』「刺客列伝」の荊軻
風蕭々として易水寒し
壮士ひとたび去ってまた還らず

という言葉でしょう。
中也も当然そのことを知っていて、この言葉を使ったのだと思いますが、その意図は私にはわかりません。




今日の名古屋は、月夜です。

今日は旧暦の十月十七日にあたり、立待月の冷たい月夜です。
こんな夜は、昔、教科書で読んだ中原中也を思い出します。

幻影』(中原中也)

私の頭の中には、いつの頃からか、
薄命さうなピエロがひとり棲んでゐて、
それは、紗の服なんかを着込んで、
そして、月光を浴びてゐるのでした。

ともすると、弱々しげな手付をして、
しきりと 手真似をするのでしたが、
その意味が、つひぞ通じたためしはなく、
あわれげな 思ひをさせるばつかりでした。

手真似につれては、唇も動かしてゐるのでしたが、
古い影絵でも見てゐるやう――
音はちつともしないのですし、
何を云つてるのかは 分りませんでした。

しろじろと身に月光を浴び、
あやしくもあかるい霧の中で、
かすかな姿態をゆるやかに動かしながら、
眼付ばかりはどこまでも、やさしさうなのでした。



私の夢にピエロが出てきたことはありません(多分。覚えてはいないので…)。
最近、誰かに追いかけられたり、探されたりする夢をよく見ます。
どうもあまり良い夢ではないような気がします。




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英語のオニさんのブログ「英語のオニになる」が公開を中止されましたので、「英語のオニになる」へのリンクを削除させていただきました。
楽しく拝見させていただいていたので、とても残念ですが、『真の「英語のオニ」になるべく本格的修行を開始すること』(英語のオニさん談)になったのが理由とのことですので、私も英語のオニさんのご健闘をお祈りしたいと思っています。

英語のオニさん、たまにはこちらにも遊びに来てください。



今日は、処暑です。

処暑は、二十四節気の一つで、暑さが止むという意味だそうで、この頃から、夏の暑さも峠を越えると言われています。
天文学的には、太陽が天球上の黄経150度の点を通過する瞬間だそうで、今年は今日(2008年8月23日)にあたるとのことです。

今日の名古屋は、雨が降ったりやんだりで、最高気温24.1℃と40日以上続いていた真夏日が途切れたと思ったら、まさに暦どおりの涼しさを感じる一日でした。

』(中原中也)



昨日まで燃えてゐた野が
今日茫然として、曇つた空の下につづく。
一雨毎に秋になるのだ、と人は云ふ
秋蝉は、もはやかしこに鳴いてゐる、
草の中の、ひともとの木の中に。

僕は煙草を喫ふ。その煙が
澱んだ空気の中をくねりながら昇る。
地平線はみつめようにもみつめられない
陽炎の亡霊達が起つたり坐つたりしてゐるので、
――僕は蹲んでしまふ。

鈍い金色を帯びて、空は曇つてゐる、――相変らずだ、――
とても高いので、僕は俯いてしまふ。
僕は倦怠を観念して生きてゐるのだよ、
煙草の味が三通りくらゐにする。
死ももう、とほくはないのかもしれない……



毎年のことながら、早く涼しくならないかと思っていたにもかかわらず、夏も終わりだと思うと寂しさを感じます。



暑かった7月も今日で終わりです。

今日の名古屋は、明け方ににわか雨があったりして、昨日までに比べると少し涼しい一日で、最高気温も32.6℃でした。

夏の夜』(中原中也)

あゝ 疲れた胸の裡を
桜色の 女が通る
女が通る。

夏の夜の水田の滓、
怨恨は気が遐くなる
――盆地を繞る山は巡るか?

裸足はやさしく 砂は底だ、
開いた瞳は おいてきぼりだ、
霧の夜空は 高くて黒い。

霧の夜空は高くて黒い、
親の慈愛はどうしやうもない、
――疲れた胸の裡を 花瓣が通る。

疲れた胸の裡を 花瓣が通る
ときどき銅鑼が著物に触れて。
靄はきれいだけれども、暑い!


中也の詩には、忘れられないフレーズがいくつかありますが、この『靄はきれいだけれども、暑い!』もその一つです。
今年の7月は本当に暑い7月でした。





kinkun

Author:kinkun
名古屋春栄会のホームページの管理人

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