海人(3)

今日の謡の稽古は、『海人』の3回目。

今朝、起きたら薄っすらとが積もっていました。

雪20100206

このは正午までにはほとんど溶けましたが、午後に稽古に行くときもときどき小雪が舞っていました。

今日のの稽古は、『海人』の3回目でした。
今日の場面は、藤原房前従者海人との問答の場面です。

ワキ「いかにこれなるあまびと。汝はこの浦の海人にてあるか。
シテ「さん候この浦のあまにて候。
ワキ「あまならばあの水底のみるめ苅りて参らせ候え。
シテ「あら淺ましや旅づかれ飢えにのぞませ給うか。わが住む里と申せども。
   かほどいやしき田舎のはてに。ふしぎや雲の上人をみるめ召され.候え。
   これに苅りたるみるめの候。

ワキ「いやその儀にてはなし。水底の月をご覧ぜらるるに。
   みるめ繁りて障りとなれば。苅りのけよとのご諚なり。
   めされん為にてはなきぞとよ。

シテ「旅づかれ飢えにのぞませ給い。ご所望あるかとこそ思いしに。
   月の為苅りのけよとのご諚なりけるぞや。
   たとい千尋のそこのみえるめなりとも。おせならばさこそあるべけれ。
   むかし天智天皇の御時。もろこしより一つの名珠をわたされしを。
   この沖にて龍神にとられ。かずきあげしも.この浦の。

地謡「あまみつ月もみち汐の。あまみつ月もみち汐の.みるめをいざや.苅ろうよ。
ワキ「いかに海人びと。かの玉をかずきあげしもこの浦のあまと申すか。
シテ「さん候この浦のあまにて候。
ワキ「さてそのあまびとの旧蹟はいずくの程ぞ。
シテ「あれなる里をあまのの里と申すも。この浦人の名所なり。
   またこれなる島を新珠島と申すも。
   かの玉をかずきあげ初めて見そめけるによって。新珠島と申し候。


今日の部分も、そんない難しい謡はありませんでした。more...

theme : 能楽
genre : 学問・文化・芸術

tag : 金春流 謡曲 仕舞 海人 弓八幡 金春月報

立春(2010年)

今日は立春です。

今日の名古屋は、まさに春は名のみの寒い一日でした。
天気予報とは異なり、雪こそ降らなかったものの冷たい北風が吹いていました。

今日はニュースでも良く耳にしたこの“春は名のみの寒さ”という表現の出典は、誰でも知っている唱歌早春賦』です。

早春賦』(作詞:吉丸一昌、作曲:中田章


春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず

氷解け去り 葦は角ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の空
今日もきのうも 雪の空

春と聞かねば 知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思を
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か



作曲の中田章は、同じく作曲家の中田喜直の父です。
日本の四季を歌った名曲をたくさん作曲した中田喜直は、生前、「春の歌では父の『早春賦』以上の歌は作れない」と語ったと言われています。
ちなみに、中田喜直の作曲した夏の歌の代表は『夏の思い出』、秋の歌の代表は『小さい秋みつけた』、冬の歌の代表は『雪の降るまちを』です。

確かにこの3曲と『早春賦』で、日本の四季を代表する歌になっています。

theme : 日本の名曲!
genre : 音楽

tag : 春は名のみの 早春賦 中田章 中田喜直

節分(2010年)

今日は節分です。

今日の名古屋はときおり小雪の舞う寒い一日でした。
天気予報によれば、明日も寒い一日になるとのことです。

今日は、節分の句を二句紹介します。

節分や 鬼も医師〔くすし〕も 草の戸に (高浜虚子

節分の豆をだまつてたべて居る (尾崎放哉

theme : 俳句
genre : 学問・文化・芸術

tag : 節分 豆まき 高浜虚子 尾崎放哉

幼獣の歌

“星”とは詩のことなのでしょうか?

幼獣”とは中也自身のこと、そして作った“”とはのことなのでしょうか。
美しかったという“独語”は何を意味しているのでしょうか。

幼獣の歌 (中原中也

黒い夜草深い野にあつて、
一匹の獣が火消壺の中で
燧石を打つて、星を作つた。
冬を混ぜる 風が鳴つて。

獣はもはや、なんにも見なかつた。
カスタニェットと月光のほか
目覚ますことなき星を抱いて、
壺の中には冒涜を迎へて。

雨後らしく思ひ出は一塊となつて
風と肩を組み、波を打つた。
あゝ なまめかしい物語――
奴隷も王女と美しかれよ。

     卵殻もどきの貴公子の微笑と
     遅鈍な子供の白血球とは、
     それな獣を怖がらす。

黒い夜草深い野の中で、
一匹の獣の心は燻る。
黒い夜草深い野の中で――
太古は、独語も美しかつた!……



こので、中也は自らのの創作そのものを題材にしているようです。
それは、中也を新たな段階に進ませるものだったのでしょうか。あるいは、中也の創作の行き詰まりを暗示していたのでしょうか。

その答は誰にもわかりません。
中也が、このを書いた翌年に亡くなってしまったからです。

theme :
genre : 小説・文学

tag : 中原中也 幼獣の歌

碧梧桐忌

今日は碧梧桐忌です。

河東碧梧桐〔かわひがし へきごとう〕[明治6(1873)年2月26日〜昭和12(1937)年2月1日]は、高浜虚子とともに正岡子規門下の双璧といわれ、初期には印象明瞭な有季定型の句を作ったそうです。
しかし、やがて俳句における近代性を追求し、無季自由律など、実験的な句を作るようになり、守旧派として伝統的な五七五調を擁護する虚子と激しく対立することになります。

碧梧桐の句で最も有名な句は、

赤い椿白い椿と落ちにけり

だと思います。

他にも、

相撲乗せし便船のなど時化となり

ミモーザを活けて一日留守にしたベットの白く

曳かれる牛が辻でずっと見回した秋空だ


などの印象的な句があります。

能を詠んだ

笛方のかくれ貌なり薪能

も好きな句の一つです。

theme : 俳句
genre : 小説・文学

tag : 河東碧梧桐 碧梧桐忌 俳句 自由律

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